手残り不動産の実質利回り

6戸のうち2戸が抜けた。賃料収入は満室の75.6%まで落ちた

ロフティチェリーNo.1(千葉県船橋市海神 / 木造2階建 6戸 / 築39年)

満室比
75.6%
月の減収
−77,000円
1戸あたり平均賃料
約52,700円

6戸の木造アパートを持っていた。満室のときの賃料収入は月316,000円である。

2025年3月から、そこが崩れた。

月 賃料収入 満室比 満室との差
2024年10月〜2025年2月 316,000 100.0% —
2025年3月 259,291 82.1% −56,709
2025年4月 239,000 75.6% −77,000
2025年5月 236,453 74.8% −79,547

2025年4月の賃料収入は239,000円。満室の75.6%まで落ちた。 月にして77,000円の減である。

2戸抜けたのに、落ちたのは1.5戸ぶん

満室316,000円を6で割ると、1戸あたりの平均賃料は約52,700円になる。2戸抜けたなら 単純計算で約105,300円落ちるはずだ。

実際に落ちたのは、いちばん深い2025年5月でも79,547円だった。平均賃料で割ると1.51戸ぶんにしかならない。

月 満室との差 1戸あたり平均で割ると
2025年3月 −56,709 1.08戸ぶん
2025年4月 −77,000 1.46戸ぶん
2025年5月 −79,547 1.51戸ぶん

理由は2つある。退去が月末や月初でないことと、6戸の賃料が同額ではないことだ。 月の途中で抜ければその月は日割りが混ざるし、抜けた戸の賃料が平均どおりとはかぎらない。

だから月次の賃料を見ても「いま何戸空いているか」は逆算できない。戸数で割り切れる形では 動かない。稼働率を後から数字だけで復元しようとすると、ここでずれる。

減るのは収入だけ。支出は減らない

空室が出ても、返済も経費もそのまま出ていく。満室だった2024年12月と並べる。

項目 2024年12月(満室) 2025年3月 2025年4月
賃料収入 316,000 259,291 239,000
経費 −36,896 −56,503 −33,350
返済 −149,990 −149,990 −141,954
差引 129,114 52,798 63,696

平常月に129,114円あった手残りが、52,798円まで落ちている。約4割だ。

支出側で減った費目は、ほぼ管理費しかない。管理費は賃料に連動するので、満室時の10,080円が 2025年4月には7,624円になった。賃料が77,000円減ったのに、支出で減ったのは2,456円である。

清掃費8,800円、振込手数料550円、インターネット、外灯と受水槽の電気代は、部屋が空いていようが 同じだけ出る。返済にいたっては1円も変わらない。

なお2025年3月の経費が大きいのは浄化槽保守点検費22,000円が乗っているからで、空室とは関係ない。 2025年4月の返済が141,954円と少ないのは、2025年3月末に借り換えた 端境期にあたるためだ。

翌月は収入が417,393円に跳ねる

ここがいちばん厄介だった。2025年5月の収入を科目ごとに分けるとこうなる。

科目 金額
賃料 236,453
退去清算 134,400
更新料 33,000
退去清算 13,540
合計 417,393

収入合計は417,393円。満室月の316,000円を10万円以上うわまわっている。

だが賃料そのものは236,453円で、この期間でいちばん低い(満室の74.8%)。跳ねているのは 退去清算と更新料という一時収入で、しかも退去清算は「人が抜けた」ことの結果だ。

収入合計だけを月次で追っていると、いちばん空いている月がいちばん良い月に見える。 賃料と一時収入を分けずに眺めると、空室はほぼ検出できない。

空室のあとには原状回復が来る

抜けた部屋はそのままでは貸せない。この物件では201号室と203号室の原状回復(着工・完了・手直し)と、 202号室のエアコン交換が発生している。金額と内訳は 入退去だけで107万円が飛んだ話に書いた。

ひとつ注意がいる。この原状回復は、管理会社の収支報告では2025年2月、入出金の明細では2025年5月に 計上されている。どちらが実際の発生月なのかを自分は確定できていない。工事の発注・完了と、 報告書への計上と、現金が動くタイミングがそれぞれ違うためだ。

空室の記録を月単位でつけるなら、この3つのどれで並べているのかを決めておかないと、 あとから自分の数字が読めなくなる。

稼働率と回収率は別の穴

空室は稼働率で表せる。トップのシミュレーターの稼働率を下げれば、そのぶん収入が減る計算になる。

ただしこの物件では、満室のまま入金が減る月もあった。 6戸のうち1戸が4ヶ月滞納していたためで、そちらは稼働率では表せない。 空室と滞納は別々に開く穴で、同時に開くこともある。

まとめ

  • 満室316,000円に対し、2025年4月の賃料収入は239,000円。満室比75.6%、月77,000円の減
  • 2戸抜けても月次の落ち込みは1.5戸ぶん。日割りと戸ごとの賃料差で、戸数では割り切れない
  • 賃料が77,000円減っても、支出で減ったのは管理費の2,456円だけ。返済は変わらない
  • 翌月は退去清算と更新料で収入合計が417,393円に跳ねる。合計だけ見ると空室が見えない
  • 原状回復の計上月が報告書と明細で2025年2月・5月にずれている。並べる基準を決めておく

空室を織り込むなら、稼働率を下げるだけでなく、その部屋を貸せる状態に戻す費用と、 その間も止まらない返済をセットで見たほうが実態に近い。

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