手残り不動産の実質利回り

金利を下げたのに月の返済は増えた。借り換えの94万円は、まだ回収できていない

ロフティチェリーNo.1(千葉県船橋市海神 / 木造2階建 6戸 / 築39年)

借換費用
961,705円
月返済の変化
+13,029円
回収に必要な期間
41ヶ月

三井住友トラストL&F(ノンバンク)から巣鴨信用金庫へ借り換えた。金利は4.05%から 3.15%に下がった。それなのに、月々の返済は増えている。

借り換え前 借り換え後
借入先 三井住友トラストL&F 巣鴨信用金庫
借入額 31,800,000円 29,000,000円
金利 4.05%(当初3.9%の変動) 3.15%
期間 30年(360ヶ月) 20年
月返済 149,990円 163,019円

13,029円増えた。 金利が下がったのに返済が増えるのは、返済期間を短くしたからだ。

3,180万円のローンを38ヶ月返した時点で、残り期間は26.8年あった。それを20年に 縮めている。6年10ヶ月ぶんの前倒しだ。

期間を縮めれば、月々は重くなるかわりに元本は速く減る。それ自体は間違った選択ではない。 問題は、その判断に94万円の費用がかかっていることだ。

借り換えにかかった費用

トラストから届いた精算書に実額が載っている。

項目 金額
解約金(元金 × 2.00%) 599,614
司法書士費用(抵当権抹消・設定) 362,091
合計 961,705

繰上返済すると、残っている元金の2%を解約金として取られる。借り換えは、金利差だけ見て 判断するものではない。先に96万円払っていて、それを金利差で取り返せて初めてプラスになる。

費用のほかに、100万円近い現金も出ている

見落としがちだが、費用とは別に自己資金が出ていく。

項目 金額
精算金額合計(元金+利息+解約金) 30,643,542
新規融資 −29,000,000
差額(自己資金で埋めた元本) 980,723

借り換え前の残債は29,980,723円だったのに、新しく借りたのは29,000,000円。 差の98万円は自分の現金で埋めている。

これは費用ではなく元本が減っただけなので損ではない。ただ、借り換えには 費用96万円と現金98万円、合わせて約194万円を用意する必要があった。 「金利が下がるなら得」という話の前に、その現金が出せるかという問題がある。

回収にどれくらいかかるか

借り換えなかった場合と借り換えた場合で、支払う利息がどれだけ違うかを月ごとに積み上げて、 96万円を超えるのがいつかを計算した。金利と期間の効果だけを見るため、元金は同額で比べている。

金利 残り期間 月返済
A 借り換えない 4.05% 26.8年 152,831
B 借り換えた 3.15% 20年 168,533
経過 Aの利息 Bの利息 節約 費用との差
12ヶ月 1,202,585 928,692 273,893 −687,812
24ヶ月 2,379,118 1,822,431 556,687 −405,018
36ヶ月 3,528,526 2,680,100 848,426 −113,279
42ヶ月 4,092,709 3,095,049 997,661 +35,956
60ヶ月 5,741,440 4,282,578 1,458,862 +497,157

96万円を取り返せるのは41ヶ月目、約3年5ヶ月後だった。

金利差は0.9%ある。それでも浮くのは年30万円ほどでしかない。96万円を先に払っているので、 取り返すには年単位の時間がいる。

売却まで14ヶ月。回収前に手放す

借り換えたのは2025年3月31日。売却したのは2026年5月なので、 借り換えから約14ヶ月しかない。

14ヶ月時点で浮いている利息は320,406円。払った費用は961,705円。

差引 −641,299円。 64万円を取り返せないまま手放すことになる。

借り換えを決めた時点で売却まで想定していたなら、この費用は払わなくてよかったかもしれない。 借り換えの損得は金利差ではなく、出口までの残り時間で決まる。

さらに金利は上がった

借り換えの1年後、金利は3.150%から3.400%に上がった。適用開始は2026年4月22日で、 2026年5月21日の返済分から月166,524円になっている。借り換え前の149,990円と比べると、 16,534円増えたことになる。

信用金庫の変動金利なので、これからも動く。借り換えで手に入れたのは「固定された低金利」 ではなく、「そのときの水準」でしかなかった。

まとめ

  • 金利を下げても、期間を短くすれば月々の返済は増える
  • 借り換えには費用がかかる。この物件では96万円、ほかに現金98万円も必要だった
  • 金利差が0.9%あっても浮くのは年30万円ほど。96万円の回収に41ヶ月かかる
  • 売却まで14ヶ月なので、64万円を回収できないまま手放す

借り換えを検討するなら、金利差だけでなく費用を何ヶ月で回収できるかを先に計算したほうがいい。 そのうえで、その期間より長く持つ見込みがあるかを考える。

金利が下がること自体は良いことだ。ただ「下がったから得」ではない。 下がり幅と、残りの保有期間と、先に払う費用の三つで決まる。

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