手残り不動産の実質利回り

大規模修繕ではない。ただの入退去で、1ヶ月に107万円が飛んだ

ロフティチェリーNo.1(千葉県船橋市海神 / 木造2階建 6戸 / 築39年)

2戸の原状回復
1,067,300円
その月の収支
−969,660円
平常月の手残り
約14万円

築39年の木造アパートを持っていた。2025年2月の収支報告を見たら、非定期の支出が 1,067,300円計上されていた。

中身は201号室と203号室の原状回復だ。屋根でも外壁でもない。ただの入退去である。

その月の収支はこうなった。

項目 金額
収入 316,000
経費 −68,370
非定期経費(原状回復2戸) −1,067,300
返済 −149,990
差引 −969,660

1ヶ月で96万円のマイナス。平常月の手残りは約14万円なので、7ヶ月分以上が 1ヶ月で消えたことになる。

修繕は「たまに」ではなく定期的に来る

この物件で発生した非定期の支出を並べる。2022年1月〜2024年7月は手元にデータがなく推定値、 2024年8月以降が実績値だ。

時期 金額 種別
2023年6月 380,000 推定
2024年3月 220,000 推定
2024年9月 127,600 実績
2025年2月 1,067,300 実績

4年で約180万円。年平均にすると45万円だ。年間の手残りが約146万円(税前)の物件で、 毎年45万円が修繕に消えている計算になる。

103号室でも約50万円の原状回復が発生している。6戸のうち3戸で、原状回復だけで 150万円が出たことになる。

そして大規模修繕はまだ来ていない

ここが一番こわいところだ。

買う前に業者からもらったキャッシュフロー計算表を見返すと、5年目に大規模修繕として 2,000,000円が計上されていた。屋根や外壁を想定した金額だろう。

つまり上の180万円は、その200万円とは別枠だ。原状回復という、入退去のたびに必ず 発生する費用だけで積み上がった数字である。大規模修繕は、まだ1円も使っていない。

築39年の木造で、共用部の手すりには錆が出ている。屋根は購入時に補修済みだが、 外壁と給排水はこれからだ。

買うときに見ていた表面利回りは9.85%だった。この数字に原状回復も修繕も入っていない。

正直に言えば、大規模修繕200万円は試算に載っていた。読めなかったのではなく、 自分が軽く見ていた。載っていなかったのは、入退去のたびに出ていく原状回復のほうだ。

築古を買うということは、この両方を引き受けるということだった。 シミュレーターの「運営費」に平常時の管理費だけを入れて計算すると、実態より よく見える。修繕の年平均を足して入れたほうが現実に近い。

手元に残っていない記録

この物件では、2022年1月〜2024年7月の31ヶ月分のPLデータが手元にない。 上の表で「推定」としたのはそのためだ。実額がいくらだったのか、いまとなっては分からない。

修繕についても同じで、どの工事にいくらかかり、どういう見積もりを経て決めたのかを 残していなかった。100万円規模の支出を、後から検証できない状態にしていたということだ。

築古を持つなら、修繕は「たまに起きる事故」ではなく経常的なコストとして扱ったほうがいい。 そのためには記録がいる。いまは収支報告書を毎月保存するようにした。

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